「殺し屋、やってます」とはどんな小説なのか?作者は?
面白そうだけど中身を知りたい!
一見物騒な名前のこの小説。名前に惹かれて買ってみました!
小説の内容と読んでみて思った事を紹介していきます
「殺し屋、やってます」とはどんな小説か?
この本は、Amazonでネットショッピングしていてたまたま見つけた小説です
作者は【石持浅海】さん
話が分からない小説は届いてからのお楽しみなのでワクワクして待っていました
ではここらで前置きは終わって小説について語っていきましょう
ミステリー作品・短編集
この「殺し屋、やってます」はざっくりと言うならミステリー作品
オール讀物で2015年3月号~2016年11月号に断続的に連載された短編小説を一つにまとめた作品になります
オール讀物は文藝春秋が発行する月間娯楽小説誌。紙雑誌で発行文藝春秋と聞いてピンとこない人もいるかも知れませんが「週刊文春」と聞けば誰でも知っているでしょう!
初版発行は2017年1月12日に発行しています(単行本)
文春文庫から2020年1月4日に発行しています(文庫)
「殺し屋、やってます」はクローズド・サークルと言われるミステリーの分類になります
もちろん名前のとおりに小説の内容は殺し屋の話なんですが
依頼されたターゲットが奇妙な行動をするため
この殺し屋は探偵のように推理・状況の確認などしていくので
推理小説?それともミステリー?どっち?と勘違いしそうになるほど面白い小説です
クローズド・サークルとは
「何らかの状況で外界との往来が断たれた状況、あるいはそうした状況下でおこる事件を扱う作品を指す」
引用 Wikipedia
登場人物
「殺し屋、やってます」は少数の登場人物が物語を作っていきます
主な人物は4人
- 殺し屋
- 連絡係1
- 連絡係2
- ターゲット
* 連絡係には名前がありますが、ネタバレ防止で1・2にします
「殺し屋」をビジネスとして行きている主人公の富澤
殺しの依頼額は「* ひとり650万円」
表では経営コンサルタントとして中小企業を相手に仕事をし、兼業で殺しの仕事をやっている
* 650万円とは東証一部上場企業の社員の平均年収が650万円
連絡係1 殺し屋の富沢に依頼を持ってくる
連絡係2 依頼人からの殺しの依頼を連絡係1に伝える
依頼をうけた殺し屋はターゲットとなる人物を監視しつつ機会を伺います
その中で奇妙な行動をとっていくターゲットが気になって観察しつつ推理を交え
きちんと仕事を全うするビジネス殺し屋の話。
ターゲットとなる人物は様々な理由から殺しのターゲットになりますが、色んな人物が出てくるのも作品の面白さです
一つの話で完結する短編なのですが、話によって出てくる登場人物は変わったりします
なので殺し屋が主人公ではない場合も!?
4人以外にも出てくる登場人物はいますが、ネタバレになってしまうので作品にてお楽しみください!
でも疑問が残りますよね?
何で連絡係が2人いるのか?それはあるシステムを使っているからです
↓
それは科学実験の二重盲検法というシステムに似た事
このシステムは実在する方法なのでちょっと紹介します
二重盲検法とは?
二重盲検法とは医学の試験・研究で行われる方法で具体的には
↓
実施している薬や治療法などの性質を、医師(観察者)からも患者からも不明にして行う方法である
Wikipedia引用
言葉だけでは分かりづらいのでイラストで簡単にしました
この実験によって不正な結果なども防ぐ事ができる。なので様々な医学や試験に使われている
素人が調べて独自に解釈した絵なので、確証はありません
もっと正確な二重盲検法が知りたい方は日本疫学会が出しているホームページで確認してください
「殺し屋、やってます」でもこの二重盲検法に似たシステムが使われていると言いましたが
作中は絵がなく、少し分かりづらいのでイラストで簡単に紹介します
先程言った二重盲検法に似ていますね!
上の図に合わせると「依頼人を医師・殺し屋を患者」として見るとそっくりです
この話を踏まえて「殺し屋、やってます」を読むとますます面白い!
小説「殺し屋、やってます」を読んでみて
ミステリー作品「殺し屋、やってます」を読んでみて連想したのが
誰でも知っている有名な小説「シャーロック・ホームズ」
探偵のホームズが謎を解いていき、助手のワトソンが手助けするという探偵推理小説で
アニメになったり映画になったりしてるほど有名な小説です
「シャーロック・ホームズ」のような探偵推理小説は一緒に謎を推理しながら楽しむことでより作品に夢中になってしまうんですが
「殺し屋、やってます」では殺し屋本人が推理していくという「殺し屋=探偵(推理)」となっていて、
殺し屋目線での推理を一緒に考えていくのはとても面白かった
「殺し屋、やってます」短編で一話完結の物語なので
小説をあまり読まない人でもゆっくり読むことができる内容になっています
「殺し屋、続けてます。」
先程紹介した「殺し屋、やってます」の続編がなんと出てました
2019年10月23日「殺し屋、続けてます。」発行
こちらは単行本のみしかまだ出ていませんが、合わせて読んでみたい小説!
まだ読んでいないので、内容は分かりませんが本の帯に興味を惹かれることが書いてあります
「殺し屋に商売敵が?」
商売敵は本業「インターネット通販」ひとり辺り550万円
次の殺し屋シリーズには商売敵が出てくるみたいですね、早速購入して読んでみたい!
作者:石持浅海さんの作品
ここからは「殺し屋、やってます」作者:石持浅海さんの他の作品も見ていきたいと思います
石持浅海さん:小説家、推理作家
作品の多くには「クローズド・サークル」が使われている
石持浅海さんの小説の多くにクローズド・サークルが用いられているのは
兼業の作家なので読書量が他の作家より少ない、そのためいずれ、トリックが被る可能性があるから
このような作風になった
デビュー作・その他の作品
2002年4月20日発行の「アイルランドの薔薇」で小説家デビュー(長編推理小説)
南北アイルランドを舞台とした推理小説で初作品とは思えないほどのクオリティーで本格推理界に衝撃が走った作品
その他の作品で2008年には「扉は閉ざされたまま」・「君の望む死に方」はWOWOWでドラマ化されている
* 黒木メイサが主演
あらすじ「扉は閉ざされたまま」
2002年の「アイルランドの薔薇」以降も毎年ミステリー作品を書き続けていて
ライトなミステリー作品から本格ミステリー作品と幅広いミステリーで読者を圧倒している
本格ミステリ・ベスト10に選ばれた作品(ウィキペディア調べ)
- アイルランドの薔薇
- 月の扉
- 水の迷宮
- 扉は閉ざされたまま
- 顔の無い敵
- 心臓と左手・Rのつく月には気をつけよう
- 君の望む死に方
- この国。
- 人面屋敷の惨劇
- 彼女が追ってくる
- わたしたちが少女と呼ばれていた頃
- 相互確証破壊
- 賛美せよ、成功は言った
まとめ
今回初めて、石持浅海さんの作品を読むことが出来ました
「殺し屋、やってます」石持浅海さんの推理小説の中ではライトなミステリー作品だったのかも知れません
本格推理小説の「アイルランドの薔薇」も読んでみたいと思います